秋も終盤をむかえています。足元に広がる落ち葉をみていると、いよいよ冬なのだと実感しますし、その紅葉も、まるで天からの授かりもののように思えてくるのは、これもこの季ならではの情緒でしょう。ふと「日本人は木の葉も花とみる」という言葉を思い出しました。たとえば葉先から枯れていくことを「末枯れ」といいますが、そんな自然現象にまで言葉を与えたのも日本人。自然に対する敬虔な心を知るたびに、頭がさがる思いです。今日もいちりんあなたにどうぞ。

解ろうとして、あんなに駆け足になったことも、感じてくると、不思議とゆっくり見えてくる。ああしなきゃこうしなきゃと、何度も思ってきたけれど、足りていなかったのは相手への思いやりだったのかもと、やっと気づきはじめたこの頃です。幸いには、それでも互いを諦めず、わかり合えないことは今すぐに解決しようとせず、いつか分かち合える日が来るかもを、気長に待ってこれたこと、それはきっとよかった。今やっと、ここに辿り着きました。今日もいちりんあなたにどうぞ。愛とは、その人の過ちや自分との意見の対立を許してあげられることです。-フローレンス ナイチンゲールBecause love is, that is forgive the conflict of opinion with mistakes and their own that person. -Florence Nightingaleブルースター 花言葉「信じあう心」

世の中は「あちらとこちら、どちらが正しい?」という、二項対立的な問いに溢れています。そんなあまたの問いに対峙するたび、ひとは直様「正しいのはどちらか」と思考しがちですが、そのジャッジをみるたびに、問いの立て方自体が間違っているのではないか、と常々私は思ってきました。世の中に、あちらとこちら、どちらかが絶対に正しいなんてことはまずない、にも関わらず、こうした曖昧な問いの立て方によって、わたし達の思考は度々誤った解釈へと誘われてしまう。ではどう問えばいいのでしょう。たとえば、わたし達が“砂のかたまり”を“砂山”として見るのは、いったいどういう時でしょう。このとき気づくべきは、わたし達は「砂のかたまりは何粒から砂山か?」「10000粒の砂は、砂山か否か?」とは問われていません。にも関わらず、自分が応えやすい問いに変容させてしまう習性があるようです。正か否かを問うでなく、どのような場面にいるとそれを「正」「砂山」受け止めるのか、またはそれを「正」「砂山」として見るのはいったいどんな状況においてなのか。このように、たんなる二分法に委ねるでなく、ふとした疑問であっても意味ある問いへ立て直すことのできる思考のプロセスが、答えそのもの以上に私たちにとっては、とっても大切ではないかと思っています。今日もいちりんあなたにどうぞ。 芸術家の役目とは、問いを投げかけることであって、それに答えることではない。-アントン・チェーホフレースフラワー 花言葉「細やかな愛情」

歳を重ねるほど「出来てあたりまえ」に塗れてるよな気がする、のです。がしかし、大人になったところで未だ出来ないな事ばかりだし、ジレンマにヤキモキするばかりだし、そのくせ「解ってほしい」という欲求ばかりだし、ホント仕方ない。けれどそれも含めてそんなものだ、と禅問答のようにして、自分に言い聞かせています。結局、誰かに認めてほしい自分がいるのです。誰かとは他でもないあなたでもあります。あなたがいるから頑張れて、あなたを瞼におき、あなたに背中を押される思いひと筋に、一生懸命になれる、そんなものなのです。 人を想えるって、最強だと思うし、想えてよかったなって思うのです。歳をとった証かしら。そんなものだ、今日もいちりんあなたにどうぞ。人間が人間のことを想う、これ以上に美しいものはない-高倉健カーネーション 花言葉「深い愛」

花びらを摘んでも花の美しさを集めたことにはならない-ラビンドラナート・タゴールそんな言葉を噛みしめながら、それでも花びら集めたり、落ち葉を拾ったり、身近な自然を見つめています。幸いに、それが楽しくて仕方ない。いま目の前に咲く、あるだけの植物を、その花を覗き込んだ花芯を、その花の思いの先を、ずっと思考し続けます。幸いに、それが楽しくて仕方ない。今日もいちりんあなたにどうぞ。バラ 花言葉「君を愛する」

君はいつも無口のつぐみどりわかきそなたはつぐみどりわれひとりのみにもの思はせていまごろはやすみいりしか夜夜冷えまさり啼くむしはわが身のあたり水を噴くああ その水さへも凍りてふたつに割れし石の音あをあをと磧のあなたに起る幾日逢はぬかしらねどなんといふ恋ひしさぞ『秋の終り』室生犀星明治中期から昭和初期にかけて作品を残した詩人・小説家の室生犀星。犀星の詩は、読んでいるだけでも、歌が聴こえてきそうな詩もおおく、私は好きです。今夜はまた君を想うからこれを。今日もいちりんあなたにどうぞ。ジニア 花言葉「遠い友を想う」

夏、法師蝉がいそげ急げと鳴いたように、今、暦どおりに山茶花が群らがり、咲けやさけやと溢れています。一日少ないというだけで、はなく10月に比べ、11月は本当にすぐ過ぎ去ってしまいます。毎年同じことを言っていると分かっていながら、泣いても笑ってもまた過ぎ、12月になればなったで、もう12月とつぶやく、せかせかと毎日過ごすこの季です。今日もいちりんあなたにどうぞ。.うしろより足音十二月が来る岩岡中正.サザンカ 花言葉「ひたむきさ」