「秋の歌」( 原題:Chanson d’automne)は、フランスの詩人ポール・ヴェルレーヌの詩。日本では上田敏が「落葉」と題して訳した詩のほか、堀口大学・金子光晴の訳でも知られます。「秋の日の ヰ゛オロンの ためいきの…」という出だしで知られる上田訳は、どの訳よりも日本語の響きを大切にしてることが感じとれ、それはまるで絵画のように色帯びて、音が鳴り、踏みしめる落ち葉が匂いたつのも目に映るような美しい詩です。が今日はあえて金子訳を。今日もいちりんあなたにどうぞ。…秋の唄ポ-ル・ヴェルレーヌ(金子光晴訳)秋のヴィオロンがいつまでもすすりあげてる身のおきどころのないさびしい僕には、ひしひしこたえるよ。鐘が鳴っている息も止まる程はっとして、顔蒼ざめて、僕は、おもいだすむかしの日のこと。すると止途もない涙だ。つらい風が僕をさらって、落葉を追っかけるように、あっちへ、こっちへ、翻弄するがままなのだ。…イチョウ 花言葉「鎮魂」

自然の美しい姿とは、華やかさに限らず凡庸な姿形であっても、それと見る者には肉欲的な思いを育ませるような気がする。季が移り末枯れて、抽象の姿に変貌しても、よりいっそう冴え冴えとして映るように見える。花をただ眺めているだけでもそう思うし、何処からともなく聴こえてくる声があるのだから、花のわかる人には、より力限りの絶唱が、耳に聴こえているんだろう。今日もいちりんあなたにどうぞ。花は生きていて眠るからには、きっと子供や動物と同じように夢を見る。結局、生物はすべて夢を見るのだ。-ジャン パウルチューリップ 花言葉「思いやり」

園芸品種のパンジーはワイルドパンジーと他の種との交配種で、伝説によればキューピッドが放った矢の先には白いワイルドパンジーが咲いていて、その矢傷を負ったせいで花の色が変わってしまったということです。古くからさまざまな占いに使われたこの花は、シェイクスピアの『夏の夜の夢』にも恋占いの花として登場します。またその花弁の筋の数で、運勢も占えるのだそう。私は4本がいいな。今日もいちりんあなたにどうぞ。4本、願いがかなう。 5本、困難が待ち受けるが克服する。6本、驚くようなことが起きる。7本、誠実な恋人ができる。8本、恋人が移り気かもしれない。9本、海を渡り結婚するだろう。ワイルドパンジー 花言葉「私の胸はあなたでいっぱい」

近所では桜の照り葉が風に舞い、秋の名残も咲き終えて、心もちを新たに冬の花が咲きだす頃となりました。「雪中四花」とは寒さ厳しい時期に、雪の中でも凛々しく咲く冬の四花をいい、蝋梅、水仙、梅、椿のことをさします。このうち香りをもたない花は椿だけ。しかし花に香りがなくとも、そのくっきりと見映える容姿には、野生の匂いをたっぷり染み込ませているし、どの花よりも放つ魅力は鮮烈です。明日は二十四節気の大雪。いよいよここから冬本番。まさに季節の扉を開ける花ですね。今日もいちりんあなたにどうぞ。ツバキ 花言葉「控えめな優しさ」

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。-山本五十六そうだって、人は誰もが神様ではないんだもの。それってつまり、誤りをするというところに、誰もの人間味があるということじゃないかしら。今日もいちりんあなたにどうぞ。アネモネ 紫 花言葉「あなたを信じて待つ」

synchronicityシンクロニシティ。日本語では「共時性」「同時性」などと訳される言葉で、もとはユングが提唱した概念「意味のある偶然の一致」を指すそうです。調べてなるほどね、と思いながら、今日はこの「意味のある」を興味深く受け止めました。従来「シンクロ」する、とはよく耳にする表現でしたし、その際にはたとえば、単に気の合う者同士だからとか、実は深い部分でつながっているからとか、お互いが意識したものへの感度が高くなっているから、とか、好みが近いからとか、はたまたそんな偶然起こったことに自分たちがわざわざ意味を見いだそうとするからとか、そうした解釈で、都合よく使っていたかと思うのです。しかしそんな偶然には、実はたまたまではなく「意味がある」と定義したのがユングの「シンクロニシティ」。こうして言葉の在処を知ると、これまでに体験したシンクロも実は「意味ある偶然」だったのかななんて思えて、なんだか無邪気に嬉しくなりました。今日もいちりんあなたにどうぞ。

「みたまのふゆ」という言葉があります。漢字では「恩頼」と書くというから意外です。みたまは御魂を、ふゆは震えることや揺れることを意味するといい、この言葉は古代の日本人が日常において、いつも神様や誰かからの恩恵を受けては、魂や心を震わせてきたことを現しています。冬の語源は「冷ゆ」とも「振ゆ」とも言われます。厳しい寒さの中、自然の恵みや人から受ける恩に、心を振るわす季節のはじまりです。今日もいちりんあなたにどうぞ。ポインセチア 花言葉「幸運を祈る」