7月
君を夏の日にたとえようか
君を夏の日にたとえようか。
しかし君の方がずっと美しく、おだやかだ。
しかし君の方がずっと美しく、おだやかだ。
荒々しい風は五月のいじらしい蕾をいじめるし、
なりよりも夏はあまりにあっけなく去っていく。
なりよりも夏はあまりにあっけなく去っていく。
時に天なる瞳はあまりに暑く輝き、
かと思うとその黄金の顔もしばしば曇る。
かと思うとその黄金の顔もしばしば曇る。
どんなに美しいものもやがては萎み衰え、
偶然や自然の摂理のなかへ消えてゆく。
偶然や自然の摂理のなかへ消えてゆく。
でも、君の永遠の夏を色あせたりはさせない。
もちろん君の美しさはいつまでも君のものだ。
まして死神に君がその影の中で
さまよっているなんて自慢話をさせてたまるか、
永遠の詩の中で君は時そのものへと熟しているのだから。
ひとが息をし、目がものを見るかぎり、
この詩は生き、君にいのちを与えつづける。
この詩は生き、君にいのちを与えつづける。
ウィリアム・シェイクスピア「The Sonnets no.18」