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フラワーデザインを考える

Posted on 2013/08/29

 

フラワーデザインを再考察してみました。ちょっと心の棚卸のつもりで。

かつて西欧のフラワーデザイン(フロリスティック)の位置づけとは、ガーデナー(造園師・庭師)やフローリスト(園芸愛好者)が切花をはじめとする植物をつかい、豪華で装飾的なデザインを施してきた全体像の主張そのものでした。きっと図鑑や本の中で、花や植木でシンボリックかつ厳格なカタチを強調した装飾を目にしたこともあるでしょう。

 

あのようなデザインは、おおむね王家や貴族の権利や富の象徴とされており、ようするに、それらには植物そのものの特性や美しさを象徴されることがなかったということを意味します。

 
対して一般庶民は、庭の花を摘み、食卓に飾り、人に贈るなどして日常の中で植物を身近に楽しんできました。
そもそも自然とは、本来「人間」を必要とはしていないものです。
しかしかれらは常に人間の目的を果たすために役割を担い、衣食住に関わり、利用されてきました。
そして植物にいたっては、先述したとおり、とりわけ私たち人間の美的な欲求を満たすための『道具』に使われてきたといえます。
このように、いつからかそんな「クリエイティブ」を、植物を活かした「サービス業」として位置付けたのが、「フローリスト」という職業者といえるでしょう。
 
さて、欧米にはそれぞれの国における歴史的背景の中で継承されてきた、フラワーデザインがあります。
 

なかでもマイスター制度が浸透するドイツでは、このフローリストという職業において「実践と理論」という二重構造で職業訓練を行ってきました。

 
【実践的な訓練】
おもに作品・商品を作るための技術の習得、花束・アレンジメント・ブーケ等を作るための実践的な知識、技術の習得をいいます。さらに、植物を使用する目的とシーン(冠婚葬祭・行事)への知識の習得も含まれます。
 
【理論的な訓練】
創作理論の習得をさし、秩序の種類(シンメトリー・アシンメトリーなど)、造形の種類、テーマ、色彩、リズム、ハーモニー、植物の構造や働き、環境などを総体的かつ本質までを学びます。
私は「フローリスト」という職業を位置づけるにあたっては、この二重システムでの訓練こそ基礎であり、加えてサービス業に欠かせない接客法の取得まで含め、しっかり訓練されるべきと考えています。そう、目の前にお客様がいる限り。
と、私自身は、デザイナーでもなければアーティストでもなく、ただの花屋ですが^^ しかし花屋である私たちこそ、ただ美しく、楽しく創作するだけが、職業の価値ではないということを、つねに意識しながら植物に向き合うべき立場にあると思うこの頃です。
 
 
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