オダマキ 紫 花言葉「捨てられた恋人」

Posted on 2014/06/26
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いにしへの しずのおだまき 繰り返し
むかしを今に なすよしもがな 「伊勢物語」

かつて情を交わした二人も、いつしか疎遠になってしまい「どうしてこうなった。もう昔のようにやり直せないのか」と男が女に送った歌です。

 
「おだまき」は「苧環」「小田巻」とも書き、昔の糸を繰る道具のこと。糸を「繰る」ことから「くりかへし」という言葉を導きます。糸を繰り出しするように、昔を今にすることができないかと詠ったこの歌を引用し、静御前が愛人 源義経に詠んだ歌があります。
 
しづやしづ しづのをだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな
吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき
 
「しずや、しずやと、何度も名前を呼んで頂いたあの時へ、くるりくるりと操る苧環のように、戻るすべはもうないのでしょうか。吉野山の峰の白雪を、踏み分け姿を隠していったあの人(義経)が恋しい」
 
静御前は白拍子であり、義経の愛人でした。白拍子(しらびょうし)とは、平安時代末期から鎌倉時代にかけて起こった歌舞のひとつで、それを舞う人もさします。
 
頼朝から白拍子の舞を踊るように命じられた静御前は、あろうことか、公然で愛人である義経を慕う歌を唄い、頼朝を激怒させます。しかし妻の北条政子が「私が御前の立場であっても、あの様に詠い舞うでしょう」と取り成すことで、命拾いをします。
 
このあたりの話に触れると、行きたくなりますね鎌倉。
この季節、アジサイも美しいことでしょう。今日もいちりんあなたにどうぞ。