8月
縁(ゆかり)の色 紫
紫色は古代の日本では、最高級の色とされてきました。『枕草子』にも「花も糸も紙もすべて、なにもなにも、むらさきなるものはめでたくこそあれ」と残されています。
平安時代、紫色は「縁(ゆかり)の色」とよばれ、その由来は『古今和歌集』の歌にあるといいます。
『むらさきの一本(ひともと)ゆえに武蔵野の 草はみながら あはれとぞみる』
昔、紫草は武蔵野のシンボルになるほど群生していたそうで、この歌では「一本の紫草への愛情は、その縁(ゆかり)で武蔵野のすべての草さえ愛おしく思える」と歌われています。
実はこれには更に深い意味があり、この一本の紫草を恋人にたとえ、その女性に縁のあるものは、なんでも愛おしい、と詠まれているのだそう。和歌の世界は、実に奥深いですね。
デュランタ 花言葉「あなたを見守る」