11月
ダイヤモンドリリー 花言葉「幸せな思い出」
先日マーカス・フィスターの「にじいろのさかな」にふれた際、頂いたコメントにあったオスカー・ワイルドの「幸福の王子」。たしかあれも子供向けの短編小説らしからぬ、博愛と皮肉と哀愁を秘めた象徴性のある作品でしたよね。そしてワイルドと言えば確かどこかで…と古い記憶をたどりはじめたのは、かつて慕った師が、森鴎外翻譯のを引用していたから。戯曲「サロメ」。ちょっと懐かしさもあり、しばし艶めく白に魅入りたくなった金曜の晩のはじまりです。よい一夜を。
…アラビアの妃の庭に咲く薔薇もお前の體(からだ)ほど白くはあるまい。アラビアの妃の庭、妃の香料(にほいもの)を作る庭の薔薇でも、草葉(くさは)の上に降りて來る黄昏(たそがれ)の素足でも、海の上の月の乳房でも、世の中にありとあらゆるものにお前の體(からだ)ほど白いものはあるまい。…森鴎外翻譯 ワイルド 戯曲「サロメ」より
ダイヤモンドリリー 花言葉「幸せな思い出」