11月
プロテア 花言葉「風格」
常にわたしらを助け光なしには一つの花さえ開かないように暗闇なしには何ものも生まれないことを知っている希望にみちた精神の庭園師たらしめたまえ
-メイ・サートン
『一粒の芥子種』よりメイ・サートンは、ベルギー出身のアメリカの小説家であり詩人です。第二次世界大戦前後より著述に専念するものの、1960年代後半に初めての小説のなかで、自らの同性愛を明らかにしたことで教職を追われ、さらに本の出版も中止されてしまいます。その後もパートナーとの別離、父との死別、自身の手術などが重なり、失意の底にありましたが、まったく未知の片田舎に引越し、世間の思惑を忘れ、自分の内なる感情を見つめることで、新たなる人生の一歩を踏みだすことが出来ました。新しい土地の自然と動物たち、大切な友人と読書によって与えられた万感は、サートンの無垢な感性と思索を通して嫋やかな、そして強かな文字となり記録されています。みすゞ書房から出版されている『独り居の日記』が好きです。自分の内なる怒りには正直に、でも身のまわりには秩序と平和を築こうと、サートンからのメッセージ。今日もいちりんあなたにどうぞ。
プロテア 花言葉「風格」