1月
新年読書初めは宮本輝の『錦繍』
お正月休み、ようやく読書時間を確保しました。新年読書初めは宮本輝の『錦繍』。
宮本輝の作品は初めてなので、まだ作風を捉えてませんが、いまの歳だから理解できる感情が多くあったように思います。
愛し合いながらも離婚した二人が、十年の歳月を経て再会。二人の往復書簡によって、それぞれが過去に抱いた心の傷をあぶり出していきます。作中に何度もリフレインされる印象的な言葉も幾つかありましたが、私はこの箇所をみて、中原中也の詩「汚れちまった悲しみに」を思い出しました。
重ね合わせたのは、過剰な自意識による生への倦怠と内省。それらは自分の中にも潜むものであるという気づき。今日もいちりんあなたにどうぞ。
「死によってその生命のすべてが消えて失くなるという考えは、もしかしたら人間の傲慢な理性によって作りあげられた大いなる錯覚ではないのか。」
—『錦繍(新潮文庫)』宮本 輝著
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ウキツリボク 花言葉「さまざまな愛」
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