4月
オオイヌノフグリ 花言葉「信頼」

江戸時代、時代の転換期に富貴を求めることなく、心豊かに生きたという歌人、橘 曙覧(たちばなあけみ)。
「たのしみは」ではじまる一連の短歌が収められた『独楽吟』は、現代の不安を抱く人たちの彷徨う心を癒す力があるとして知られてるそうです。
たしかに眺めているだけで気持ちが和む歌は多くあり、数えて52首あるのですが、つまり週に一首たしなめば、一年たのしく過ごせたりして。五つほど抜粋してみます。あなたはどれが好きかしら。今日もいちりんあなたにどうぞ。
たのしみは物識人(ものしりびと)に稀にあひて古(いに)しへ今を語りあふとき
たのしみはとぼしきまゝに人集め酒飲め物を食へといふ時
たのしみは草のいほりの筵(むしろ)敷(しき)ひとりこゝろを靜めをるとき
たのしみはすびつのもとにうち倒れゆすり起(おこ)すも知らで寝し時
たのしみは朝おきいでゝ昨日まで無(なか)りし花の咲ける見る時
『獨樂吟』橘 曙覧
オオイヌノフグリ 花言葉「信頼」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。