未分類
ささやかだけど役に立つこと
アメリカの小説家レイモンド・カーヴァーの作品に『ささやかだけれど、役にたつこと』(原題 A Small, Good Thing)という短篇があります。日本語訳は村上春樹氏、12編の短篇から成る『Carver’s Dozen レイモンド・カーヴァー傑作選』にも収録されています。
実は村上春樹もカーヴァーもほとんどの作品を読んだことが「ない」のですが(笑)、この作品に限っては何度も読み返すほどに気に入っています。
書かれているのはある夫婦の朴訥とした日常なのですが、不思議となんど読んでも、ちいさな感動がさざ波のように体の中に広がるのを感じて、大好きというよりは大切にしている作品のひとつです。
あらすじは、
という話。
まるで古い映写機から覗いて見るような朴訥とした情景は、日記にも手紙にも記されないような何でもない日常です。それは人の感情にも似たような、不可視な日常。
しかしそんな誰の気にも留めない「見えないもの」にとっても、助けになるものがあることに気づかされました。それは「信頼」です。
目に映ることばかりが頼りになるのではなく、目には見えなくても信じることができれば、それは支えになる。
この作品を思い出しては、たびたび読み返し、私はどうだろうと考えます。そして胸の奥にこだまします。ささやかだけれど役に立つこと。ささやかだけど役に立つことを。
今日もいちりんあなたにどうぞ。
シュウメイギク 花言葉「忍耐」
Text
フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
https://www.hanaimo.com/