オキーフとタチアオイ
ジョージア・オキーフという画家をご存じですか。大きな花、動物の頭蓋骨、アメリカ西南部の風景を描いた作品群で知られる20世紀を代表するアメリカの女性画家です。
孤高の画家として知られ、98歳で亡くなるまで、激しい情熱と強靭な意志で絵を描き続けたといいます。
オキーフのモチーフでもある花は、花単体で大きく描かれることもあれば、他のモチーフのそばで付属的に描かれてもいます。代表的な作品『雄羊のアタマとタチアオイ』では、彼女が永住したニューメキシコの荒涼とした大地を、動物の頭蓋骨と繊細な花が見下ろすような構図で描かれている。
こちらの動画でも紹介されているので、よかったらぜひ字幕付きで。
https://youtu.be/4KQeu_mTYTQ?si=3y_Aj_UJdsZaYS7F
オキーフは日本画をはじめ、岡倉天心の『茶の本(The Book of Tea)』の「花」の候にも影響を受けたそう。
ちなみに、天心(覚三)が書いた『茶の本』は、日本の茶道を欧米に紹介する目的で刊行された本で、新渡戸稲造の『武士道』とともに、日本人が日本文化を英語で書き海外に広めた書物です。ゆえにニューメキシコにいたオキーフの手にも届くに至ったのでしょう。
作品に話を戻すと、これは個人的なことですが、正直オキーフのようなモダニズム作品はあまり好みではありません。ともあれ時代がつくりあげたパブリックイメージへの挑戦と、そこに彼女が放った言葉には独自の力強さがあります。
とくにこの言葉は思い出すたび、胸の奥でかちんと合わさる音がして、共鳴とともに今この立ち位置への安心をおぼえます。大切なことを見失ってはならないという自分自身への教示でもあり、私の願いそのものです。今日もいちりんあなたにどうぞ。
タチアオイ 花言葉「野望」
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