七五三
11月15日は七五三。その昔、小さな子どもの生存率が低かった時代には、子どもが無事に育つことは何よりの喜びでした。
ゆえに節目を迎えるたびにお祝いしては、子どもたちの健やかな成長を願ったといいます。七五三もそのようなお祝いの一つです。
「七つ前は神の子」といいます。七五三は女児が7歳にお祝いしますが、元日に歳を重ねた時代(数え年)には、正月明けの七草(1月7日)も、子どもの生存と先の無病息災をねがった行事とされていました。
こうして故事をみると、子どもの成長を神様に詣でて感謝したくなるのは、受け継がれてきた感情であり、
また悩みのちがいはあるけれど、我が子を世間へおくるまでの不安と愛情を抱き続けるのも、変わらぬ親の心なのだと知りますね。
親にとって愛おしい子を手放す恐怖は、どの成長段階にあってもつきもの。子どもが小さければなおのことです。
けれど子どもの成長を見守る中には、嬉しい発見もあります。それは子どもはもとより親にとって、世間に育てていただける喜びと、人の気持ちに触れる数だけ得られる学びがあるということです。
そうと思えるまでには、大人ほど時間が要るのかもしれません。しかしいつしか「ほんとね」と他者や子と、分かちあえる日がくるかもしれません。
なんて希望を胸にしつつ、今は子どもたちの健やかなる日々を、みんなで一緒に願えたらと思います。
七五三おめでとうございます。今日もいちりんあなたにどうぞ。
子を思う 親の心は日の光
世より世を照る 大きさに似て
有島武郎
チョウセンアサガオ
花言葉「夢の中」