七竈(ななかまど)
七竈(ななかまど)。寒さが増すにつれ、燃えるように赤く紅葉する葉と共に、つややかに色づく紅い実は山の秋を彩ります。
その材質は竈(かまど)に七度入れてもまだ焼け残るほどに燃えにくく、また炭にするにも七日かかるのでこの名がつきました。
花木の名の由来は調べてみると大変におもしろく、こと日本名ともなると、奇想天外な名称に驚かされることもよくあります。
たとえば屁糞葛(へくそかずら)。きくだにひどい名前です。笑
草をむしると悪臭を放つことから付いたらしいのですが、その名づけがかの牧野富太郎博士によると知り、なおさらに驚きました。
夏にはくち紅をつけたような白い小花が可愛いし、秋には残照に映える実も独特に美しいのに、この名ばかりがほんとうに気の毒。
話を戻します。七竈は赤い実がなることから「赤実成木(あかみなりき)」ともよばれ、その「あ」がとれて「かみなりの木」という別称もあります。つまりこの木を「雷電(らいでん)の木」という所以は、ここにあったのです。
燃えにくい木ということから、火災・落雷を避ける木として神社などにも植えられているとのこと。
冬空に赤い実がはなつ輝きは、見つけた人の心を豊かに祝福してくれます。散策のさいには、ぜひこの紅葉と赤い実を探してみてくださいね。きっと嬉しい声が聞こえてくるはずです。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ナナカマド 花言葉「慎重」」