11月
白百合
キリスト教社会において、白ユリは聖母マリアの象徴の花。2世紀の頃にはじまった聖母信仰の高まりとともに、キリスト教徒は神聖なる「マドンナリリー」として、聖母や聖人たちに奉げてきました。その花の白い花弁は聖母の身体を、またおしべの黄色い葯は魂を意味するともいいます。
宗教絵画のなかにもおおく登場する花で、たとえばダヴィンチの「受胎告知」に描かれた天使ガブリエルの手元にも白い百合が描かれています。この百合は、マリアの処女性とフィレンツェの象徴とのこと。
このように歴史が古い花なので伝説にもいろいろあり、そのひとつが「イヴが流した涙から咲いた花」という説。
蛇にだまされ禁断の木の実を食べてしまったイヴが、エデンの楽園を追われた際に流した涙が地に落ちて、そこに咲いたのが百合の花、という話です。
また古い時代の紋章に描かれた白ユリは「光の植物」として重要な役割を担ってるとの記述を目にし、そこに「紋章学」という学問があることを知りました。おそらく白ユリのほかにも多くの植物が登場することでしょうから、想像するだけでも面白そうです。
いずれにおいても白ユリが、純粋、威厳、無垢、光の象徴であることには変わりはないようです。そして見守るように咲く姿も。今日もいちりんあなたにどうぞ。
シラユリ 花言葉「威厳」