12月
「銀杏の葉」Ginkgo Biloba
東京はいま銀杏が真っ盛り。まるで賛歌のように降り注ぐ黄葉は、春の花吹雪を思い出させるほどに美しく幸福感に満ちています。そのあたり一面が絨毯敷きのように黄色く染まるのを眺めながら、あらためて都心の街路樹には、銀杏が多いということにも気づきました。
銀杏をみると、いちどは「銀杏の葉」というゲーテの詩を思い出します。ゲーテ60代の頃に25も歳の離れた若い女性に贈ったとのこと、そうと聞くだけで盲目的に恋焦がれていたゲーテの心情が伝わる、ラブレターともみてとれる恋愛詩です。
恋多き天才としても名が高かったゲーテですが、そんな彼が贈ったこの詩が知れ渡ることによって、東洋からやってきた銀杏は、西洋ではロマンスの象徴になりました。わたしはひとり、でもあなたとはふたり。すてきですね。今日もいちりんあなたにどうぞ。