12月
ポインセチア
イギリスの動物学者デズモンド・モリスの著書に、クリスマスをめぐる謎について書かれた『クリスマス・ウォッチング』という一冊があります。その中にはじめて目にしたポインセチアの伝説がありました。
あるクリスマスの夜、貧しい農家の子供たちはイエスの誕生を祝う贈りものがないために、教会の戸口にたたずみ、お祝いに出向く人々を眺めていました。その様子を見ていた天使から「贈り物がないなら、道端にあるあの美しい草を持っていくといい」といわれたので、子どもたちはその草を手折り教会に持っていきます。
ところが人々に「ただの雑草を持ってくるなんて」と笑われてしまい、決まりの悪くなった子供たちは思わず頬を赤らめました。するとその赤い色が草に映り、雑草はたちまち美しい花に。嘲笑した人々は自分たちの振る舞いを恥じるとともに、目にした奇跡に驚き、以来ポインセチアは「聖夜の花」として知られるようになった、というお話です。
ポインセチアの燃えるような深紅色が、小さな子供が赤らめた頬の色だったとは興味深く、調べてみるとほかにも似たような伝聞があることも知りました。
このように、花にはさまざまな伝説やエピソードがありますが、国や歴史による違いはあるものの、人間に共通する言葉や印象、影響力もあると思います。たとえば、この花が誰にとってもクリスマスの象徴であるように。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ポインセチア 花言葉「幸運を祈る」