既往は咎めず

Posted on 2023/12/29

一とせの暦を奥にまきよせて のこる日数のかずぞすくなき 
藤原知家

『三百六十首和歌』

一年の暦を奥へと巻き寄せていくと、残りの日数がいよいよ少なくなってきたことを実感するなあ。という歌。一年360日に一首ずつあてた「毎月集」とも呼ばれる『三百六十首和歌』にある歌です。このころはカレンダーも巻物だったことがうかがえますね。そして年末に寄せる、この凡とした季感って、今も昔も変わらないんだなあと思ったり。

さて今年もあと二日。年もつまってくると、この一年のやり過ごしに名残惜しさも感じながら、でもそんなときにこそ心は磨かれるのだと、自分に言い聞かせています。済んだことに気を取られるくらいなら、新年から慎めばいいのよと、また花に言われた気分。既往はとがめず、です。今日もいちりんあなたにどうぞ。

シクラメン 花言葉「遠慮」