2月
春夜 雨を喜ぶ
よい雨というのは降るべき時を心得ていて、春にもなれば待ちかねたように降りはじめる。
そして雨は風に吹かれながら、ひっそり夜に忍び込み、霧のように細かな雨滴は、なんの音もたてず降り続け、あらゆるものを隅々まで潤す。
野の小道も雲もみな闇に埋もれ、川に浮かぶ船のいさり火だけが明るい。
明日の明け方、雨に潤った赤い花をみたなら、成都の町のいたるところでも、濡れそぼった花たちが、しっとりと重たげに咲いていることだろう。
春の雨は、恵みの雨。春の夜は、雨を喜ぼう。
今日もいちりんあなたにどうぞ。
ダリア 花言葉「感謝」