2月
枇杷の花
枇杷の花 白く咲きゐる み園にて
物いふことも なくて過ぎにき
-齋藤茂吉
実家の庭に枇杷(ビワ)の木があり、実がなるたびに捥いで取るのを楽しみにしていましたが、いつだったか「本当は縁起が悪いのよ」と母に言われ、なぜだろうとずっと疑問に思っておりました。
調べると、「ビワを庭に植えると病人が出る」などの迷信があり、つまりそれは、ビワが何しろ茂るので、狭い庭に植えると、日を遮り、風通しも悪くなるからだそうです。
侘びしそう、淋しそう、地味、といった印象ばかりの花ですが、それはそれで人を引き寄せる魅力があるようで、この花を読んだ俳句は意外と多いんですよね。
果実は夏ですが、花が咲くのは晩秋から早春の頃。先日近所の木を見上げたら、すでに花は終わりに近く、また来年かあ。と残念に眺めました。けれど、次は夏に実がなるでしょう。それもまたお楽しみ。
ね、一年ってあっという間なの。だから花も、いまを楽しまなかったら損なんです。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ビワの花 花言葉「あなたに打ち明ける」