浅き春に寄せて
立原道造は大正3年東京生まれ。大学では建築学科で主席を通しますが、三好達治や室生犀星、堀辰雄に影響を受けて詩に転向。
しかし若くして病に臥し、たった24年という短い一生を駆け抜けた人でした。
愛しいひとが遠くへ離れていった、その強烈な哀しみに囚われて、今を生きることに、無感動になってしまった二月の詩。
とは何の脈略もない今日の出来事。
昼下がりのこと、中学生にも見えるくらいの若い男の子が、いきなり「彼女とケンカしたんです!」と花屋に入ってくるという、今までにも経験のない漫画のような出来事がありました。
彼は初めてみる顔でしたし、事情も分かりませんし、ひとまず「どうする?」と聞きましたら「わからない!」というのです。笑
こちらもわからないのですが、用意を進めまして、「で、どうしたの?」と聞くと、若い子ならではの初々しいものだったので
「平和なバレンタインになることを祈ってるよ」と送り出すと「頑張ります!」と言って颯爽と帰っていきました。笑
あんなピュアな少年が、この東京にもまだいるんだという安堵。少年の浅き春に、ささやかな応援を寄せる喜び、噛み締めたひととき。
何でもない日常ほど、愛おしいものはないなぁと、あらためて思った一日でした。今日もいちりんあなたにどうぞ。
レースフラワー 花言葉「細やかな愛情」