縁起の花
今日2月10日は、中国における旧暦の正月「春節」。昨日も、ひとりの女性が「明日は正月なので」と花屋にいらして、正月を迎える花を選んでいかれました。
色にこだわりがあるようで、濃い赤や緑を選び、縁起も気にされておりました。「牡丹」ともおっしゃったのですが、あいにく無く、そうか牡丹か、と思い出したのでした。
中国から日本に伝来した縁起物の中には、植物も多くあり、牡丹もそのひとつです。古くから豊年の兆しとなるめでたい花として、また家庭の幸せを願う花として、幸福や富貴の象徴とされてきました。
日本でも振袖の柄などに描かれますが、このように植物がもつ吉祥の意味を知ると、花柄ひとつ選ぶにも、楽しみが増しますね。
ほかにも金柑の実は金運を招くとされ、旧正月でも飾られます。祝い菓子にもなっている桃も、縁起が良いとされる果実です。
「仙人が桃を食べて不老不死になる」という話から「仙果」とも呼ばれます。私には、桃を抱えてモグモグしている仙人の姿が目に浮かび、こみ上げる笑いを静かにこらえるところです。笑
ちなみに日本の正月ではなじみ深い「松竹梅」。これも元々は、中国の「歳寒三友」という言葉から来ていますが、中国においては、めでたさよりも、寒さに耐えて花を咲かせる梅や常緑の葉のように、いかに環境が厳しくても節を貫く、植物に付与した「精神性」を尊んだようです。
このように中国から伝承した縁起も多い日本ですが、おめでたい日にこそ、家族の幸せを願う花、季節の植物を傍にしてほしいと思います。
きっとその願いも花たちが、喜んで叶えてくれることでしょう。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ボタン 花言葉「富貴」