無心の花
上記は良寛の漢詩を訳したもの。花は無心にて蝶を招き、蝶も無心にて、花を訊ねる。同様に自分も、他の人々のことは知らないが、他の人々も、自分のことを知らない。というように、世の中は、互いを知らないながらも、自然の法則には適ってい、為すべきことが為されている。という詩です。
江戸時代を代表する僧侶、歌人、詩人などで知られる良寛は、このほかにも、移り変わる季節の自然や、野の花を題材とした和歌や漢詩を数多く残しています。それだけでも十分に心惹かれますが、ほほえましく思うのは、子供たちとの様子うたった和歌も多くあることです。
「日本人の心のふるさと」とも評された良寛ならではに、人や自然への温かいまなざしが感じられるのは作品の特徴でもあり、そうした寄り添う心の現れも、今にも親しまれている所以でしょう。
このような詩歌に触れるたび、言葉とは、その人の雰囲気や佇まいが感じられるものであり、自然に周りを感化させる力があるのだなあと思います。また歌の中に咲く草花たちにも、同じ力を感じます。花にしてみれば、無心で咲いてるだけなのでしょうけれど。
あらためて、言葉、大切に使っていきたいと思いました。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ヒャクニチソウ 花言葉「遠い友を思う」