すみれの花咲く頃
この歌詞を目にするだけで、その調べが脳裏に浮かぶ人も多いことでしょう。「すみれの花咲く頃」、言わずと知れた、宝塚歌劇団を象徴する愛唱歌です。
作詞は、宝塚歌劇団の演出家であった白井鐵造によるものですが、この曲はオリジナルではなく、原曲があります。
古いドイツの映画「再び白いライラックが咲いたら(Wenn der weiße Flieder wieder blüht)」のタイトルに同じ、主題曲にもなった曲がそれです。
https://youtu.be/23TrI0bv56s?si=Hxd5mTeKauzo9cmh
時代はさかのぼり、宝塚歌劇団創設の頃になります。当時、小林一三の命を受けた白井は、レビューの研究をすべくパリに渡り、その修行を終え帰国する際に持ち帰ったのがこの曲で、日本においては、当時ライラックの花がよく知られていなかったので、スミレの花に書き換えて作ったといわれます。
ライラックの花については昨日も触れましたが、ヨーロッパにおいて、ライラックが人々を魅了してきた花であることは、うかがい知るに足る芸術作品は数多くあります。一方のスミレも、「つよいたんぽぽ やさしいすみれ これがお国の野の花よ」と、童話作家 浜田広介が書いたように、日本人にとっては昔から親しみ深い、心に寄り添う花でした。
さてそのスミレ、なぜ今日スミレというと、今朝に足元を見やったら、咲いていたからにすぎないのですが、
今日は朝から気温はぐんぐん、まるでゴールデンウィークの頃を思わせるほどの陽気でしたでしょう。けれどそこには花がちゃんと季節をとらえていたのです。それに気づき、ああ今が「スミレの花の咲くころ」とわかり、心が弾むのを感じて、ふっくら嬉しくなったのでした。今日もいちりんあなたにどうぞ。
スミレ 花言葉「小さな幸せ」