ローランサン・グレー
この詩はローランサンの恋人だったとされるアポリネールの詩。眼に触れて、にわかに彼女と過ごした時代の、甘い匂いが漂うような感が残りました。先日は、堀口大學が訳したマリー・ローランサンの詩「鎮静剤」 を紹介したところ、思いがけず多くのコメントを頂き、とても嬉しく思いました。
https://note.com/sakiko_suzuki/n/n670cdd034f4c
夏木マリさんの歌、その情報を共有してくださる方が複数いたので、さっそく私も配信で聴きました。作曲した高田渡さん自身も、歌ってらしたようですね。ありがとうございました。
ローランサンの詩に触れたのをきっかけに、彼女の絵を観ていたところ、絵にある色彩の特徴に気がつきました。そうあの憂鬱なグレーと甘いピンクの配色です。
これまで気に留めたことがなく、しかし画家の名前を冠した色名があることは知っておりましたので、手元の色辞典を調べましたら、ありました。「ローランサン・グレー(Gris Laurencin)」と呼ばれる灰色です。この色は、フランスの伝統色になっているそうですね。
ローランサンについては不勉強なため、作品の背景についてはわかりかねますが、しかしあの、目に入る色と溶け合う、ぼんやりとした柔らかな色彩が、この春にみた花曇りの景色を思いださせ、そこに惹かれました。すっかり遠くに思える頃ですが、今年最後の桜色を、ローランサンに重ねてもう一度。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ヤエザクラ 花言葉「豊かな教養」