4月
春夜 雑感
堀口大學『月下の一群』より。今日一日の、疲れ切った頭には、詩を読むくらいがちょうどいい。なんて手にしたものの、数あるフランス訳詩の中で、どうしてこれに眼が留まったのか、自分の気持ちがわからない。
ただ、訳者あとがきにある「ただ、詩を愛するのは、少年の日より久しい僕の性癖だ。ことフランス近代詩を知るに及んで、この性癖はいよいよ深いものになった。」とあるこの箇所にばかりは、何度目であっても、今日も強い共感を覚える。
花と文学の関係性を探るこの路も、いよいよ長くて遠い路。そんなことを思うこの頃。けれど幸いなのは、それしかできぬ不器用でありながら、ローランサンがいうほどの、不幸も哀れも退屈も、ひとつも感じていないところです。
明日はどんな花に出会うだろう。期待はない。
今日もいちりんあなたにどうぞ。
モッコウバラ 花言葉「あなたにふさわしい人」