むらさきの微笑

Posted on 2024/06/24

やっと梅雨に入ったとおもえば、あと一週間で六月も終わり。

この月のうちにもう一度、あじさいの花に触れておきたいと思いまして。

これは昔、小学校の教科書に載っていた詩だそうです。こんな大人びた目線で花を見る人の情緒を、当時の小学生がどのように受け止めていたのか、その感想に触れてみたくなりました。美しい詩ですね。六月の夜にぴったり。今日もいちりんあなたにどうぞ。

アジサイ 花言葉「移り気」

あじさい
三越左千夫

心のうるむうつろいを
また よしともおもう
銀の雨にむらさきはぬれて
優しくうなずくあじさいの花

花の中にありようもない
燃える眼差しをさがして
罪の淵へふみはずしそうな
熱い恐れのときめき

ときめきを鎮めると
静かに胸にかえる安堵
その 安堵の奥からまた
眼をさましてくるうつろい

夢見る心のうつろいを
また よしともおもう
昨日今日情炎のしずくをこぼす
あじさいのむらさきの微笑

燃える眼差しをさがして


Text

2002年創業 フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」する仕事です。
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