暑さ雑感
米国(こめぐに)の上々吉の暑さかな
小林一茶
昨日、久しぶりに日中の戸外へ出ましたら、「額に汗する」どころではない暑さに驚くとともに、容赦なく降りそそぐ熱射と溺れるほどの湿気には、ほんとうに、身の危険を感じました。上々吉の、なんて言っていられぬ暑さです。
一方で、この炎天の中にあっても華やぎ衰えぬ、街路樹として立ち並んだ百日紅の美しさはこの上なく、しばらくの信号待ちも花に労われた思いがしたり。
そういえば、7月22日は二十四節気の「大暑」でしたね。文字通り「大いに暑い」季節に入ったという知らせです。
暑いといえば、宋の時代に、戴復古(たいふくこ)という詩人がいました。彼は農民詩人とも言われた人のようでして、「大熱」と題した詩のなかに「湯のように湧きだつ田の中で、農民は背中から汗を流して田の草を刈っている。それなのに、どうして自分だけが涼しい顔して食っていられるものか」とあります。
これをみるだけでも、古代の農民のほうが、今よりよっぽど暑さ険しい長い時間を過ごしていたのではないかと、頭が下がる思いです。
夏日可畏(かじつ おそるべし)なんて言葉もありますね。これは厳しく激しい人の喩えにも使われますが、こんな言葉からも、昔から東洋人にとっての夏とは、厳しさと我慢がともなう季節だったことが伺い知れます。
さあ夏はまだまだここから。くれぐれも無理せず気を付けて、元気に過ごしてまいりましょう。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ランタナ 花言葉「協力」
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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
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