夏の終いの凌霄花
魔のなかの睡魔はやさし青葉木菟
凌霄花のほたほたほたりほたえ死
のうぜんの曼陀羅覆へわが柩
-文挾夫佐恵
凌霄花のほたほたほたり。この「ほたえる」とは、「ふざける、じゃれる」といった意味があるそうで、ここでは花びらの落ちかたをいっています。
天に届くほどに咲き昇った花は、やがてほたりほたりと落ちながら、無邪気に生を終わらせる。という景色にうっすらと、作者自身の死生観が漂う三連句です。
あらためて、凌霄花(ノウゼンカズラ)の「凌」は「しのぐ」、「霄」は「空」の意味。つるが木にまといついて、天空を凌ぐほど高く登ることからついた名前だといいます。
咲き方といい花色といい、ほたえたとも火照ったともいい、この花ならではの風情は、いつも気持ちを和ませてくれました。
夏の終いの凌霄花。また来年も会えること、楽しみにしています。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ノウゼンカズラ 花言葉「夢ある人生」
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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
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