秋に思う
春愁秋思。春は、そこはかとない憂いに沈み、秋には哀愁に浸る。気持ちの良い天気の時に限って、何ともいえない心のざわつきを感じたり、気持ちが落ち込むことを「春愁秋思」とあらわします。
たしかに秋になると、どこからともなくセンチメンタルな雰囲気が漂いますが、この私たちが感じる悲秋感覚とは、平安時代あたりからのものらしく、というのも『万葉集』には秋を「悲しい」と詠んだものは、それほど多くないそうです。
きっと、本来の日本において、自然は今以上に豊かだったでしょうし、山里いっぱいに広葉樹が色をなした昔の秋は、人々が悲しみを感じる間もないほど、目にも鮮やかであったのでしょう。そんな景色を羨望の眼差しで想像します。
ともあれ、この時期に寂寥感はまだ早く、そして今年も短いことでしょう。色尽くしの秋、体いっぱいに喜び受け止めて、満喫したいものです。
今日もいちりんあなたにどうぞ。
キクイモ 花言葉「気取らぬ愛らしさ」
Text
フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。
「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
https://www.hanaimo.com/