11月
白菊
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色かはる秋の菊をば一年に ふたたびにほふ花とこそ見れ
よみ人知らず
白い小菊は九月の節句(重陽)の頃に花どきを迎え、それから枝茎をのばし、露霜がおかれる頃になると、白さの中に紫を帯びた色が見えてくる。
最初の花は純白だったけれど、霜にあたって色が変わり、今ふたたび花を咲かせている。
秋の菊は美しい。なによりこうして二度も三度も咲いては匂うのは、ありがたく見入るばかりだ。
そんな歌です。秋が深まりどんどん日が詰まると同時に、菊の白色も紫を帯びながら静かに様変わりしてゆきます。とかく菊の白色は、ならではの品がありますが、霜に傷められた姿であっても、哀れではない、それまでには感じられなかった意地らしさが見てとれます。
目もかれず見つつ暮らさむ白菊の花よりのちの花しなければ
伊勢大輔
白菊は、草という草が枯れて花もなくなる冬までも見られるのだ。ましてやこの花のあとに咲く花なんてないのだから、目を離さないように。
とのことです。白菊、これからの季節もたのしみに。今日もいちりんあなたにどうぞ。
白菊 花言葉「慕う」
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Text
フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。
「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
https://www.hanaimo.com/