落葉のかなたには春の芽生えが待っている

Posted on 2024/11/26

人生には
不幸を通ってくる
幸せがあるように、
落葉のかなたには
春の芽生えが
待っている。
宮城道雄 随筆『落ち葉をふんで』より

筝曲「春の海」で知られる宮城道雄は、幼少期に失明したことが機となり、音楽の道を志します。この詩を眼にしたとき、私は落葉に不幸を重ねたことはないな、と思った一方、道雄には秋の落葉の音がどのように伝わっていたのだろうと思いを馳せました。

きっと目の不自由は、他の五感を研ぎ澄まし、匂いや音や触感を体全体で感じ取る力を与え、道雄に類まれなる才能を授けたに違いありません。

ゲーテは「暑さ寒さに苦しんだ者でなければ、人間の値打ちなんかわかりようがない。」と書きました。

苦しみや不幸を通らない、幸せな人生の方がいいと思います。しかし不幸せな体験をしたことで育まれる感性、人の気持ちに気づけたり優しくなれることも、きっとあるでしょう。

不幸せな経験が幸せに転換できるとしたら、それは人の気持ちに気づけるようになること、人に寄りそう人生が歩めるようになることではないかしら。

もし弱さが導いた不幸だったとしても、その経験のおかげで人の気持ちに気づけたり、また分っていないことに気づけることは、先々の自分に幸せを導くと、他人にとっても支えになれる、かならず強みになると私は思います。

話を膨らませてしまいましたが「落葉のかなたには春の芽生えが待っている」って素敵な言葉だな、と胸に響いたので。今日もいちりんあなたにどうぞ。

ユキワリソウ 花言葉「期待」

落葉のかなたに

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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主 鈴木咲子
都内生花店に8年在籍ののち渡独。2000年に南ドイツ、アルザス地区の生花店での勤務を経て帰国後、2002年 通販サイトHanaimo開業。
一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格
https://www.hanaimo.com/