魔法のはじまり

Posted on 2024/11/23

書棚から不意に手にした一冊。今朝は皆様ご存じの『秘密の花園』です。

『秘密の花園』バーネット 野沢佳織 訳 /西沢書店

仕事人間の父と遊んでばかりいる母に放任され、わがまま且つ孤独に育った少女メアリー。

愛情以外のすべてを与えられ育ったメアリでしたが、小さな暴君となった彼女はいつもひとりぼっち、さらには流行病により両親が亡くなり、まもなく伯父の家に引き取られることになりました。

ほとんど屋敷にいない伯父のもと、メアリーはここでもひとりでしたが、まもなくして女中のマーサ、マーサの弟ディゴン、自分と似た境遇で育った従兄弟のコリンと出会います。

そしてある日、メアリは見つけた庭園へ、ディゴンと共に病弱なコリンを誘い込みます。子供たちは庭を育てているうちに心を癒され、そして荒れ果てた庭が美しくなっていくと共に、奇跡のようなできごとが起きました。

「この世にたくさんの魔法があることは、まずまちがいない」コリンはある日、ものしり顔で言いました。「でも、それがどんなものなのか、どうすれば使えるのか、みんな知らないんだ。ひょっとしたら、なにかいいことが起こる、なにかいいことが起こるって言いつづけているうちに、ほんとにいいことが起こる、それが魔法の始まりなんじゃないかな。」
『秘密の花園』バーネット 野沢佳織 訳 /西沢書店

病弱で歩くこともできなかった少年コリンに起きた奇跡。「魔法は僕の中にある!」生きる力を信じられるようになった、少年コリンの言葉の、なんて力強いことでしょう。

魔法のはじまり、第一歩は「きっといいことが起きる」と、口に出して言ってみること。そして言い続ける、実際にそういうことが起きるまで。

コリンは元気に言いました。

ふと手にし、開いた一冊でしたが、朝から勇気が湧いた気持ちです。これもセレンディピティ。きっと良い一日です。今日もいちりんあなたにどうぞ。

ラナンキュラス 花言葉「光輝を放つ」

魔法は僕の中にある

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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主 鈴木咲子
都内生花店に8年在籍ののち渡独。2000年に南ドイツ、アルザス地区の生花店での勤務を経て帰国後、2002年 通販サイトHanaimo開業。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格
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