二十四節気「春分」

Posted on 2025/03/20

春分をむかえました。今日は彼岸のお中日。お彼岸(おひがん)は、日本の仏教行事で、春分の日と秋分の日を中心とした前後3日間、つまり春分日を含む7日間を指します。

「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、東京は昨日の朝は春雷、昼はぼたぼたと雪が落ち、ずいぶん気まぐれな彼岸の空だなと眺めました。

それも今日は一転して、陽の光は柔らかく冴え返る冬の名残も和らぎ、なんとなく風の匂いがやわらぐのを感じます。

雪解けで湿った土からは、ふつふつと息吹が湧き上がるような気配、みれば年明けに埋め込んだチューリップが芽を出していました。
彼岸とは、仏教の教えにおいて迷いの多い此岸から、悟りの境地たる彼岸へと心を向ける時であるとされていますが、じつのところ、それは自然の摂理と人の営みが、密やかに交わるときでもあるのでしょう。

「春風や 闘志いだきて 丘に立つ」 高浜虚子


春風に心を奮い立たせて、丘に立つ情景を詠んだこの句は、春風は、ただ穏やかであるばかりではなく、時に新たな歩みを促すものでもある。と詠んでいます。


彼岸の頃には、卒業式や人事異動なども重なりますね。亡き人を偲ぶ季節、それは自分自身が進む道を見つめ直す時でもあります。


冬と春の交差点に立ち、遥かなる未来へと心を馳せる春分です。今日もいちりんあなたにどうぞ。

今日の花「寒緋桜」

寒緋桜(カンヒザクラ)は、桜の品種の一つで、鮮やかな紅色の花を咲かせることで知られています。特に沖縄地方で多く見られ、1月から2月にかけて開花します。その呼び名は、旧暦の正月あたりに咲くことからガンジツザクラ(元日桜)、ヒカンザクラ(緋寒桜)、タイワンザクラ(台湾桜)、サツマザクラ(薩摩桜)、ヒザクラ(緋桜)とも呼ばれます。

花言葉は「きまぐれ」