秋しぐれ
秋の暮とはその日の暮をいうでなく、秋という季節の暮をいうと思う。晩秋をむかえ、本来の今時期なら、雨がふるたびに冬への情趣も深めていくものと思うのですが、降りませんね。なので気持ちはいまだに仲秋です。
嬉しい気候ではありますが一方で、秋晴れに心が弾むのも、そろそろ持て余してきた感があります。あまりに雨がないのもね。ちょっと心配。
秋の雨は秋霖(しゅうりん)。暑さを和らげる雨のことで、秋時雨(あきしぐれ)ともいいます。
時雨(しぐれ)は、秋の末から冬の初めにかけて、ぱらぱらと通り雨のように降る雨。それは降ったりやんだりの決まりのない降りかたです。そんな時雨のさだめなく降る様子に、昔の人は人間の心の移ろいや人生のはかなさを重ねました。
雨や花などの自然界に、自分の心を投影したり見立てては、自分らしさを自然に語らせてきた文学者は数多くいます。詩歌に小説、短歌などのロマン文学に位置づけられるそれらが、私は好きです。
いっそ一日読みあさるなんて贅沢も、秋にこそしたいのに、今年はかなわないなあと遠い目。そろそろ降らないかしら、今日も青い空。
今日もいちりんあなたにどうぞ。
イチゴ 花言葉「あなたは私を喜ばせる」