「梅にうぐいす」花屋の向こう側
北大路魯山人の随筆に『梅にうぐいす』があります。
ある日のこと、魯山人に教示を受けようと訪ねてきた女流歌人がいて、「材料の取り合わせ」について聞いてきた。翁は、相手は歌人だから、歌に寄せた説明をしようと考え、そこで「うぐいすの歌を作るとき、あなたなら何を配するか?」とたずねる。「うぐいすにはさしずめ梅であろう」と続けると、その歌人は「それはまた陳腐ではありませんか」と答えた。その返事に呆れた魯山人は言いました。
真実を表現するためには「真実を見出だす」必要がある。これまでの概念に囚われて、新しいとか古いとか、やり古された真似ごとばかりをするから、それは陳腐になるのだ。真実を少しも見ず、聞かれて返事のできないようなことなら、やらないほうがいい。
梅にうぐいす。これだけ聞けば「そういうものだ」と、疑う余地はありません。けれど梅にはその年の、鶯にはその日の、その時々の趣があり、それに動かされる心があり、味わう楽しみがある。そのようにして、人が好むところには調和がある。これが真実です。
傲慢毒舌で悪評高かった魯山人ですが、この説法を読んだ時には、自分のしごとに置きかえれば尚、響くものがありました。
既成の事実にとらわれて、真実に気づけていないのではないか。過去の経験に引っ張られて、今に調和していないのではないか。
真実に調和あり。真実とは。今日もいちりんあなたにどうぞ。
紅梅 花言葉「あでやか」
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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
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