苺(いちご)
「くさかんむり」に「母」がついて「苺(いちご)」。その由来は、ひとつの株にたくさんの実をつける特性が「母」を連想させることから、この字ができたと考えられています。
この季節、苺の真っ白な花を見つけると、菫を見つけたときと同じ高ぶりを感じるのは、きっと自分だけではないはず。と、この気持ちが通じると思う、思い浮かぶ顔が二人あります。
一人は花のお友だち。猫の額ほど小さな庭や、狭い台所や、お家が並ぶほそい路地裏の鉢植えを、大切に大切に育てては、ささやかな日常を慈しんでいる友だち。
おはようの花、いってらっしゃいの花、自分のための花、誰かのための花を、大切に大切に愛おしみ、飾って楽しんでいる友だち。
この「苺」の字をみるたびに、草冠に母なんて、あまりにも彼女によく似合うと思い出し、久しぶりに会いたいなあと、懐かしみます。
そんな彼女の花の飾り方は、いつも難しくありません。いちりんで飾ってもよく、曲がっていてもよく、歪でもよく、どこに飾ってもよく、そうした「どれでもいい」花との距離が心地よく、時折知らせがくるたびに、私もそんな便りを届けたいと思います。
といった、こんな思いも、きっと分かってくれると思う顔が、もう一人。
そう、ずっと想像ばかりですけれど、いつか、お会いできたら嬉しいですね。
今日もいちりんあなたにどうぞ。
イチゴ 花言葉「あなたは私を喜ばせる」