穀雨
今日は二十四節気の第6節目「穀雨(こくう)」。穀物の成育に潤いをもたらす暖かな雨(穀雨)が降り始めるころとされ、種蒔きをするのにも最適な気候としています。この15日間が過ぎると、季節は春の終わりを告げ、次にくるのが「立夏」です。
西洋に「三月の風と四月の雨が五月の花を連れてくる」という諺がありますが、文字どおり三月に冷たい風が吹き、四月にたくさん雨が降ることで、五月にきれいな花が咲くという意味です。
それにしても、今年は季節の進みが速いこと。四月も半ばを過ぎた頃には、風にも日にも夏の気配が混じりはじめていましたし、今や花もすでに藤です。
春はせっかちな季節です。それに対して、夏ははじまりばかりが勢いで、後はもたもたと進みません。夏に言いたいのは、そう早く来るのなら、早くに去って頂けないかということです。
けれど雨に育てられた花木を見てしまうと、伸びた付いたと浮かれてしまい、言いたい気持ちも気構えも忘れてしまい、けっきょく夏にされるがままになります。
花屋でさえなければ、もう少し夏を歓迎できたのかしらと、愁いに心がなやめますが、きざす花には心が躍るこの頃でもあります。残りの春も楽しめますように。今日もいちりんあなたにどうぞ。
フジ 花言葉「歓迎」