野分のあした
昔は台風を「野分」と呼んだことは以前にも触れました。『源氏物語』の巻にも「野分」があり、『枕草子』には「野分のわきのまたの日こそ いみじうあはれにをかしけれ」とあり、
このように台風は、昔から日本人には身近な現象だったようで、それは災害をもたらす悩ましい存在である一方、水の恵みを与え、過ぎたあとの風情などは、多くの詩歌からもみてとれます。
『徒然草』には「野分の朝こそをかしけれ」とありました。
(台風の翌朝は、これも興味深いものだ。このまま書き続ければ『源氏物語』や『枕草子』に書かれたことの二番煎じになるだけだが、それをしてはならないという約束もないのであり、筆にまかせる)
「をかし」とは「風情がある」「心惹かれる」という意味。つまり野分のあした(台風あと)の空の眺めこそ美しい、といっています。いうまでもなく他方では、見舞われた被災の景色もあったことでしょう。なにしろその風は草木も乱す「野を分ける」ほどの暴風だったのですから。
たびたびに、日本人の日本人たるやを思うのは、受け止めることには思い切り、過ぎたことには淡白に忘れるところ。もちろんそれだけとは言いませんが、災害がおきるたびに、人々の胸底に携えた美徳、気概を感じます。
このたびの台風は、何時になくのろのろしてますね。先ずは大事がないことを祈ります。くれぐれもお気をつけて。今日もいちりんあなたにどうぞ。
アケボノソウ 花言葉「希望」
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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
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