風は、秋。
秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる
藤原敏行
(秋が来たと、目にははっきりと見えないけれど、風の音を聞いて、秋の訪れに気づかされました)
これは立秋の日に詠われた歌で、つまり今年でいえば8月7日。それからすでにひと月が経ちましたが、秋が見えるもなにも、いまだ衰えぬ夏の猛威。いよいよどうしたものでしょう。
9月になったと同時に、たしかに宵には秋を感じるようになり、ああこれで秋、と気をやすめたものの、それもつかの間でありました。
風は、秋。それは毎日感じているのですけれど。
なにしろ、今年も植物にかぎらず、作物の収穫にも異変を来たしていると聞きました。それがいちばんの懸念でしょう。
季節のかたち、命のかたちが、どんどん歪になっていく。これをどう受け止めていけばいいのか。職業人として、日本人として、そして都会に住むものとして、悩みは重なる一方です。
しかしそれでも、自然や花木や植物をそばにできる喜びが、何よりも何よりも、こうして自分を満たすのです。自然や環境が変わるなら、あわせて自分も変わればいいのでしょうね。
柔軟に、勇敢に。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ケイトウ 花言葉「勇敢」
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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
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