薊(あざみ)
そういえば、これまであまりアザミの花に触れてこなかったように思います。ひとつには、どの季節に咲くのが本来なのか、つかめていなかったこともあり、
そこで調べてみると季節は春から秋、北海道から沖縄まで日本全土に広く分布し、生育地は海岸から高山の頂までと、わりと何処にでも咲く花だと知りました。
キリスト教では聖花とされ、よって関する書籍の中でもたびたび登場していましたが、あのアザミの葉や棘の形状、それらに纏わる伝来は、どうも私には刺さらなかったようです。
しかし春に咲けば春アザミ、夏に咲けば夏アザミ、秋に咲けば秋アザミと、それぞれの季節を冠して呼ばれることからも、この花が折に触れて人の眼にとどき、印象づけていたことが伺えます。
薊の花も一盛り(あざみのはなもひとさかり)という諺がありました。これは人に見向きもされないような地味な花でも、花ざかりになればなかなかに美しい、という意味だとか。番茶も出花、とも同じでしょうか。
とはいえ、よくよく思い出してみれば、野原の中にぽこぽこと頭を見せるアザミは愛嬌あるなと目を引きましたし、秋にみるアザミもまた秀麗な印象があります。
人を引き寄せない見た目から、強さや自立を象徴されますが、一方で、どこか強がってるように寂しげに映るのは、ただの思い過ごしかしら。今日もいちりんあなたにどうぞ。
アザミ 花言葉「私に触れないで」
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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
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