たったひとつのことを続ける尊さ
ここ近年、書けなくなったひとつの理由は、他でもないSNS疲れでした。
私自身、もともと話すのも書くのも好きですが、素人です。これで何ものかになろうとも何かに活かそうとも、今もかつても考えていません、しかし、
気づけば世の中には情報があふれ、自分とは真逆な人があふれて映るようになり、戸惑いました。
それは泳法しらずの私にとって、今にも津波にのまれるようなするどい怖さがありました。
言葉が助にもなれば刃にもなることを知ると、自分が素人だという自覚から生まれるものは恐怖です。
一方で、謙遜が身につきます。他人は鏡であることも思い知ります。心に納まるもの、納まらないもの、静かに考え続けました。
かつて無邪気にできていたことが無責任に思えたり、理由もなく続けていたことに意味を求めるようになると思考が止まります。
一方で感情の揺さぶりを欲している自分もいます。
その渇きをいやしてくれたもの、私にとってそれは読書でした。
あれほど多くの情報や言葉の行き交いに疲れていながら、文学の中で出会う人物や言葉からは求める物以上のものを与えられ、大いに助けられました。
自らが多くの言葉を費やすことをせずとも、先人がすでに大切なことを書き記してくれている。
本を開きながら、発見や拠り所を見つけては心が解放されるのを感じながら、大切なことを思いだしました。
どれだけたくさんの言葉を費やしても、言い続けられることはひとつだけです。たったひとつの事を続ける尊さ。
またそれを知ってできるのは、素人であるとか玄人だとかではなく、人間の中にある純粋性ではないかという気づきです。
一足先に彼岸花が咲きました。今日もいちりんあなたにどうぞ。
彼岸花 花言葉「独立」
#彼岸花
#花以想の記
Text
フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
https://www.hanaimo.com/