8月 月下美人 木造の古風な洋館の広い応接間で、テエブルよ片寄せて、まんなかに円い台を出し、月下美人の鉢植えがのせてあった。植木鉢は夫人の膝より低かったが、月下美人は、やや見あ... 2024/08/29
8月 忘れ扇と扇風機 忘れ物 扇一本と停車場 正岡子規 今朝ほどニュースを見ていたら、この夏、都内の電車内で見つかった忘れ物の数が、過去最大数になったとのこと。中でも最も多いのは「ワ... 2024/08/28
8月 くすぐりの木 夏の始まりから秋の入り口まで咲き、その花期の長さから「百日紅」とも書くサルスベリ。枝先に、縮れたレースを集めたような小花が群がって咲きますが、この木の肌を指先で... 2024/08/26
8月 柘榴と良寛 掻きて食べ 摘み裂いて食べ 割りて食べさてその後は 口もはなたず良寛「爪で掻いて食べ、指先でつまんで裂いて食べ、手で割って食べ、その後は、口もあけずにモグモグと... 2024/08/25
8月 夏の終いの凌霄花 魔のなかの睡魔はやさし青葉木菟凌霄花のほたほたほたりほたえ死のうぜんの曼陀羅覆へわが柩-文挾夫佐恵凌霄花のほたほたほたり。この「ほたえる」とは、「ふざける、じゃ... 2024/08/24
8月 台風雑記 台風と云ふ新語が面白い。立秋の日も数日前に過ぎたのであるから、従来の慣用語で云へば此吹降は野分である。野分には俳諧や歌の味はあるが科学の味がない。勿論「野分の又... 2024/08/23
8月 左巻の朝顔 朝顔は、いけばなの出生と共に選ばれてきた花。いとも涼し気で清涼感ある佇まいは、朝に迎えるお客にもふさわしく、茶花として用いられることは、利休の逸話でも知られると... 2024/08/22
8月 一房の葡萄 有島武郎の短編に『一房の葡萄』というのがあります。もともと好きな作家ではありますが、このちいさい物語にひろがる色彩豊かな描写と美しい筆致は、またも読んでひと目に... 2024/08/21
8月 さんごじゅの花 さんごじゅの花が咲いたら咲いたらといつか思ったさんごじゅの花が咲いたよあの島へ漕いで行けたら行けたらといつか思ったその島へきょうは来てるよあの白帆どこへゆくだろ... 2024/08/20