4月 行く春 私は天井に止まる蠅を、一時間も面白く眺めてゐた。床にさした山吹の花を、終日倦きずに眺めてゐた。実につまらないこと、平凡無味なくだらないことが、すべて興味や詩情を... 2024/04/27
4月 ローランサン・グレー またしても春が過ぎ去る僕は思い出す甘やかだったことがらを去ってゆく季節よ さようなら同じほど甘やかにもう一度ふたりの上に来ておくれ「恋は死んだ 」ギヨーム・アポ... 2024/04/26
4月 一初(いちはつ)菖蒲(あやめ)杜若(かきつばた) そろそろこの花たちの声が、聞こえてくる陽気になりました。まずアヤメ科のなかでは、一番初めに咲くことから一初(イチハツ)ともよばれる鳶尾草(いちはつそう)。中国原... 2024/04/25
4月 著莪(しゃが) 譲ることのみ多き日々著莪の花 塙 義子気づけば、著莪(シャガ)の咲く頃になっていました。毎年、近くの神社にある藤棚の紫が下がるころ、足元に著莪の群生がひろがるの... 2024/04/24
4月 春夜 雑感 退屈な女より もっと哀れなのは かなしい女です。かなしい女より もっと哀れなのは 不幸な女です。不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です。病気の女より もっ... 2024/04/23
4月 恐竜たちの花 人類が誕生するよりも1億年以上前から存在していたとされる、地球上最古の花木モクレン。恐竜が活躍していた時代の地層から、被子植物(花を咲かせる植物)の化石が出土し... 2024/04/22
4月 虞美人草(ぐびじんそう) 逆に立てたのは二枚折の銀屏である。一面に冴返る月の色の方六尺のなかに、会釈もなく緑青を使って、柔婉かなる茎を乱るるばかりに描いた。不規則にぎざぎざを畳む鋸葉を描... 2024/04/21
4月 柳(やなぎ) 良い天気でした。暦ではまだ晩春にあり、初夏というには薄色の季感ですが、緑したたる柳の新葉が風に吹かれるのを眺めているだけで、胸の元まで夏のさざめが降りてきました... 2024/04/20
4月 のびる 四月はのびる。日がのびる、草がのびる、背がのびる。冬のあいだに手入れが行き届かなかった花木も、いまが盛んにのびるとき。のびるといえば野蒜(のびる)。土手にいった... 2024/04/18