白露
今日九月七日は、二十四節気の「白露」。
「露」は空気中の水分が夜の冷え込みでかたまり、水滴となって地表や草花のうえに付いたもの。夏の湿り気が残っていながらも、夜が長くなり冷えてくることから、九月の初旬にもなると露が結ぶ(結露)のが見られるようになります。
「白露」とは朝露のことをいい、つまり夏を終え、ようやく草花にも朝露が付き始める頃になりましたよ、という知らせです。
春は花、夏ほととぎす秋は月…とは、道元禅師が詠った言葉ですが、日本では月とならんで露も、秋の景物のひとつとされてきました。
ただ月の満ち欠けには、明るさも満ち足りなさも、多様な心象をかさねてきた日本人ですが、消えやすく残らない露は概ね「はかなきもの」として捉えたようです。
そんななか、昔に川端茅舎(ぼうしゃ)という俳人がいまして、このひとの句集には、露を詠んだ句が20をこえ、またその特徴は、はかなさよりも、露の強いきらめきが、この眼にも反映するような秀句が多いこと。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000369/files/55239_65212.html
白露に鏡のごとき御空かな
金剛の露ひとつぶや石の上
鏡、金剛と、つよい光を感じさせるのは、きっと自身が病弱であったことにもよるのでしょう。私には、悟りにいった崇高な、気高さのようにも映ります。
さても都心の残暑はまだ厳しくあり、露が降りるも結ぶも見当たらず。しかしこうして季節の節目を感じることで、にわかにも秋の訪れ、四季の移り変わりに気づけることは嬉しく、ご一緒できることが幸いです。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ツユクサ 花言葉「懐かしい関係」
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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
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