二十四節気店主の記
8月8日「立秋」
8月8日立秋。暦の上では秋のはじまりです。夏の便りは立秋を境に暑中見舞いから残暑見舞いに変わります。
とはいえこの暑さ。先日青森を訪れたのですが、北国に抱いた期待をはずす猛暑、東京と変わらないあの気温にはたいへん驚きました。
今日の立秋を峠として、季節は徐々に秋へと近づくようですが、この暑さが落ち着くまでにはもう少し時間がかかりそうです。
さて今日の花はデュランタ。クマツヅラ科デュランタ属の植物です。
名前は16世紀の植物学者C. デュランテスにちなみます。
夏に見る花は春に比べると、どれも色の濃さが増しますね。まるで太陽の光に負けんとするかのようです。
この数か月、NHKの朝ドラ「らんまん」を毎朝楽しみにしています。
日本を代表する植物学者として知られる牧野富太郎をモデルにしたドラマですが、
正直、こんな地味な(笑)分野に生きた植物学者が、こんな形で世に知られる日が来るとは夢にも思いませんでした。
牧野博士は多数の新種を発見し、デュランス同様に多くの植物の命名もしています。
奥様の名前を冠した「スエコザサ」がよく知られるところです。
花屋の花もいいですが、道端に見る小さな花や山で出会う山野草、夏の濃い緑に心潤すこの頃。
「雑草という名の草はない」という牧野博士の言葉が胸に響きます。自分もそんな歳になったのでしょう。
猛暑のお疲れが出る頃です。くれぐれもお身体大切にお過ごしください。
立秋によせて。
HANAIMO店主 鈴木咲子